2021/9/4 vol.4 アリアンナ

私が私でいること

ーシングル=完ぺきではないからの解放

ー聞きたくてもやめてほしい、三大タブークエスチョン

ーLGBTQIA+でいうところの、“A”?

青文字:LIVABALL

黒文字:アリアンナ

オレンジ文字:視聴者さま

LGBTなどという単語、専門用語を使わずに自己紹介、自分を説明してください!

NY在住7年目、イタリア出身、俳優をしていますアリアンナと申します!

 

自分のことは、ストレート(異性のことを好きになる)女性と認識しています。でも性的欲求は全くもっていません。必要性も感じません。わたし的には全く普通なんですけど、いつもみんなにはをびっくりされることですね。

 

10代の頃より、誰かに触りたいとか性的な魅力を感じるということについては全く理解できませんでした。でも感情という面では好きになったり恋愛感情を抱くことは理解していました。

性別は?恋愛は??

ー自身の性別には違和感はないのですか?

ありません。(きっぱり)

ー「女だから~」というようなラベル貼りについてはどうですか?

ラベリング(カテゴリー分け)は本当に好きじゃないです。でもここ数年は「女性ならこの年頃にこうしてこうして・・・」というような伝統的な基準が減り、もっとオープンに社会がなってきているのでうれしいです。

特にNYでは、ある年齢に達したら子供や結婚の期待されたりプレッシャーをかけられることも少なく感じますね。

でもいまだに女性へのラベル貼りがあると感じるし、イタリアは保守的なのでそれはさらに強くあります。

ー恋愛感情は抱くのかな?など、あらゆる疑問を持たれることが多いのではないでしょうか?

性的以外には、とても魅力的だな、きれいだなと思うことはあります。芸術品のように美しいなと。でも性的にはならないんです。

悪いことではないはずなんですが、他の多くの方々には障害とまではいかずとも “何かがおかしい人”、“正常ではない人”、“制限がかっている人”と思われてしまいます。それはそれで受け止めますが…。

性的欲求がないことで過去のお付き合いで何か問題などはなかったですか?

はい。男性とお付き合いしたことはありますが、お別れの原因はまた別のことで、私のセクシュアリティが原因ではなかったです。その人は自分のこのセクシュアリティを受け入れてくれていて、それはとてもレアなことなので、とても嬉しく思っています。

ーなるほど。今は一人でも全く平気というか、今はお付き合いされている方はいますか?

そうですね、今はいません。特にコロナが広がってからは、たとえワクチンが広まってきたとはいえ、知らない人とデートをしに行くのは確実に私の優先事項ではないですね。

ー「いつ手をつないだの!?」「いつキスしたの!?」とか、「いつSEXしたの!?」というような会話は往々にしてあると思うのですが、そういう部分に対して、「自分は人と違うな」などと思って辛くなったり、不愉快に思ったりしますか?

不愉快には思いません。私の友達には感謝しています。私のことを特別扱いせずに、普通に彼女の恋愛話を私にも話してくれるのは、嬉しいことだと思います。

 

そのような話を聞くのは、自分が全く観たことのないテレビの話を聞いている感じですね。その人が言っていることを100%全て理解出来るかといえばできないかもしれまんが、そういうものがあるんだな、という感じで。

ー数年前はパートナーを探している時期もあったと聞いたのですが、それはなぜですか?

NYにいると、テレビではもちろんのこと、周りのみんながデートに行ってるのをたくさん見聞きします。それにより、ソーシャルプレッシャーなどがあったのかなと思います。「なんで自分はニューヨーク・ラブストーリーを見つけれないんだ?」というような。

 

異国の地ニューヨークに単身渡米して、誰かに愛されるということが必要な気がしたり、

幸せになるためには誰かといなければならない、シングル=完ぺきではない、人生にパートナーは不可欠、と思っていたからでしょうか。

でも次第に、自分は自分を探して自分を愛して自分を大事にすることが第一と気づきだしたんです。

 

退屈だからとか、一人でいるのが怖いからという理由で興味を持たないかもしれない人に時間を費やすよりも、私が私でいることが、何より大切だと。

欧米=オープン!!…ではなかった!?

保守的なイタリア

なるほど。イタリアはもっと保守的だと聞きましたが、「ありのままの自分」でいることは難しいですか?

そうですね。イタリアでは、私のセクシュアリティに関する話はジョークとして取られてしまうことが多かったですね。

 

女性であることに関しては、ニューヨークは「自分の人生は自分で作る!」いう感覚が強いと思いますが、イタリアはもっと「女性の理想像とは…」という考えが強いです。女性は大学に行ってもその後は結婚と出産を35歳までに終えなければならない、という考えなど。それが女性としての価値だというように。「結婚してない」「子供がいない」という理由で女性が見下されることもあります。私の家族や友達はありがたいことにそういう考えではないですが。

 

アメリカニューヨークではもっとオープンに感じますが、私の母国ではセクシュアリティはジョークにとられられたり、「まあそのうちに考えも変わって子供生むだろう。」と思われたりしますね。

ーそうなんですね!日本では、「欧米は進んでいて日本は遅れている。特にジェンダーやセクシュアリティに関しては。」と、“欧米は” とひとくくりにされることが多いかと思います。でもよく聞いてみると、意外と日本と似ている部分があるなと驚きました。

ちなみにイタリアが保守的な理由は日本とはまた違い、やはり宗教によるものが大きいのでしょうか?

そうですね。ほとんどの国民はカトリック信者ですし、バチカン(キリスト教の最大宗派カトリックの総本山)もあるので。宗教はイタリアの文化や政治も含めあらゆることに大きく影響を与えていると思います。

なので同性婚に関しても、法律的には同性でも事実婚は出来るにも関わらず反対的だし、トランスジェンダーの人権(トランス・ライブス・マター)にも否定的です。政治家たちがそうなので、一般市民も彼らを信じて同じ様に考える傾向があるように思います。

これらの影響からか、メディアではアメリカのように様々なセクシュアリティやジェンダーの人が取り上げられることや出演していることはありません。

 

最近はオープンな風潮に変わってきていると実感しますが、それでも、ニューヨークほどオープンな場所はないですね。

ーなるほど。日本とまた理由が違うんですね。宗教の部分なので時間がかかり、変化するのがとてもむずかしいのかなと思います。

視聴者さまからのコメント・質問タイム!

ー<視聴者さま>
ニューヨークに来た理由はなんですか?セクシュアリティが理由ですか?

一番の理由は、昔からアメリカのテレビや映画を見るのが好きで、俳優になりたいと思っていたからです。
セクシュアリティに関してはメインの理由ではないですが、数ある理由の一つであることは確かです。

ー<視聴者さま>

どうやってご自身のセクシュアリティに気づいたのですか?

また、性欲の大きさは人と比べにくいものかと思います。私ももしかしたら性欲は低いほうなのかなと感じます。自分が多数派なのか少数派なのか…そもそも比べるものでもないかもしれませんが…。

10代の頃って恋バナがあると思います。友達みんなが「いつキス/セックスしたの!?」というような話をしていました。でも自分には99%よくわからなかったんです。なのでリサーチをしたことから気づきだしました。

 

セクシュアリティーやジェンダーに関しては、ご自身の好きなように言って良いし、好きなラベルを貼って良いと思います。アセクシュアル(ゲストアリアンナのセクシュアリティ名)がご自身に近いと感じるなら、その定義と100%合っていなくてもつけて良いと思います。オンラインやフェイスブックなどでアセクシュアルのグループなどに参加してみるのも良いと思います。

 

セクシュアリティって流動的な面もあるのですが、今ご自身がアセクシュアルと感じるなら、そしてそれを使いたいなら、全然使っても良いと思いますよ☆

ーそうですね。調べて自分と同じ価値観を持つ人と知り合えて落ち着ける場所を作ることもできるし、あえて何もラベルはらないで「これが自分なんだ」としていく方法もあると思います。

今までのゲストの方も仰っていたのですが、カテゴライズする必要もないですし、カテゴライズすることで居場所を見つけることもできますよね。自分が一番居心地が良い方法をみつけられたら良いですね。

 

ー<視聴者さま>

日本のジェンダー・セクシュアリティ・性教育は十分ではないように思います。イタリアはどうですか?

イタリアも全く十分ではないと思います。

 

国自体がとても保守的で宗教色が強いのが関係しているのでしょうか、性教育もとても保守的かと思います。

 

「結婚前にセックスしても良いけど、病気になるよ。死ぬよ。妊娠するよ。そして男はあなたを去るよ。だからしない方が良いよ。したいならしてもしても良いけど、これらがリスクだからね。」

 

と言われる教育を私は受けました。はっきりと覚えています。笑

 

ある意味ではありがたい教育ではあるのですが・・・少し荒々しいというか・・もっと良い教育方法に出来るはずだと思いますね。

もちろんゲイなど、ジェンダー・セクシュアリティに関しての授業はありません。

ー日本で先生が「セックスしても良いけど!」と大声で言うことはあまりないですよね笑

ー<視聴者さま>

アセクシュアルということで差別を受けることはありますか?私にはどんなことが差別にあたるのか思いあたらないのですが…「理解できない。」というのが差別にあたるのでしょうか?

差別という言葉にはあてはまらないと思いますが、「アセクシャルは存在しない。」とか、「考えを改めるべきだ。」と警告してくることでしょうか。差別というよりはとても迷惑なことですね。

ーはっきり差別用語を使ったりして差別する人って意外と限定的で、“知らず知らずのうち” に差別的な態度が起きてしまうことの方が多いですよね。なんとなく、「自分は除け者にされてる気がする。」とか、「自分はおかしいのかも。」と思わされてしまったりなど。

たとえば、上司に風俗やキャバクラに誘われて、でもそこまでセックスが好きではないとか、そもそもそういう場所が好きではないという理由で断ったら、「男のくせに。」「お前ゲイか?」などと言われてしまったりなど。

ー<視聴者さま>

アセクシュアルについて知識がまったくないので教えて下さい。パートナーに対して性的欲求を抱かないだけなのか、それとも性的にアプローチされることに対しても嫌悪感を抱くのか?アセクシャルの人にどのような配慮をする必要があるのか?

人によって様々ですが、アセクシャルの定義としては、性的欲求がゼロか限りなくゼロに近いというセクシュアリティです。

 

たとえるなら、「○○○君/ちゃんとてもセクシー!ムラムラする!」ということが起こらないということでしょうか。

 

配慮に関しては、そのように配慮をしようとして下さっていることが素晴らしい配慮だと思います。アセクシャルの人によって、して欲しいことやして欲しくないことは違うと思います。セックスの話が全然大丈夫な人もいれば、それこそ嫌悪感を抱く人もいるかと思います。なのでもしアセクシャルの人がいたら、「なにか配慮して欲しいことある?」と聞くことが良いと思います。でも、突っ込みすぎた質問は控えていただければと思います。

ー<視聴者さま>

私は私!と思えるようになったきっかけや理由はありますか?

時と共に少しずつですね。マッチングアプリを使ってデートをしていた時期があったんですが、もともと私自身がシャイというのもあるので、そもそも知らない人とおしゃべりをするのが好きじゃないなと気付きだしました。

 

毎回はじめましての人と合って、どこかに座って、その人の人生の話を聞かなければならないのか・・・と。「犬の名前はなんですか?」「兄弟は何人いてね〜…」「ご職業は?」「ご趣味は?」「すごいですね〜!」など、こういうことをパートナーを見つけるまで毎回続けなければならないのか・・・楽しくないなと思いだしまして。笑 

 

自分が退屈と感じるなら、退屈なことはしなくて良いなと。

 

また私はとても素敵な家族と友達に囲まれています。みんな私のことをいつも受け入れてくれて十分に愛してくれています。

パートナーがいるというのはポジティブなことだとは思いますが、これらのことが組み合わさって、私はありのままの自分でいるべきだな、私は私、と思うようになりました。

ー<視聴者さま>

めちゃ分かる〜!!(マッチングアプリや婚活の一連の流れについて。)

ー<視聴者さま>

恋愛感情は抱くとのことですが、どういう時に相手に恋愛感情をいだきますか?

特定のタイプがあるわけではないのですが、好きになる時は化学反応ですね。会って10分くらいで、良いなとか合わないなとか分かります。私はシャイで内向的なので、もしはじめましての人が10分間で私のことを心地よくさせてくれたのなら、これはすごいことだ!この人は良いかも!となります。

聞きたくてもやめてほしい、三大タブークエスチョン

ご家族にはすでにカミングアウトをして受け入れてもらえてるということですか?

はい。でもそもそもこれに関してカミングアウトというか説明をするのはなんというかモヤモヤするというか…。

あ~分かります。なんでわざわざ説明しなければならないんだろう?と思うことは確かにあります。

「性的欲求がないもしくは限りなくゼロに近い」というのは、わたしたちよりも理解されにくく説明が大変そうなイメージ。。

そうですね。知ろうとしてくれるのは嬉しいんだけど、たまに「なんで他の人には聞かないような質問してくるの!?」となることはある。

ーたとえば??

  1. セックスしたことあるの?

  2. 将来セックスすることあると思う?

  3. マスターベーションはするの?

うわ〜〜〜!!!!!やめて〜〜〜!!!

はい。。こういう質問って他の人にはきっとしないですよね。人それぞれ違いますし、このようなとても込み入った聞きにくい質問に関しては、「どうぞご自身でネットでお調べ下さいませ。」と思います。笑

アセクシュアルも色々

どんなサポートがあれば良い? 

*アーカイブ限定!本ウェビナーでは時間の関係上カットされたものです!

性的欲求がない人の中でも、パートナーの希望に応じてセックスをする人もいます。

 

私の友達で、「セックスはヨガとかエクササイズと思ってしている。という子もいます。

 

なのでセックスに関しては本当に人それぞれであり、他の人にいきなり聞ける質問ではないのと同じように、私たちにもいきなり聞くものではないと思いますね。

ーヨガやエクササイズと思ってされる方もいるんですね!とても興味深いです!

ちなみに周りはどんな配慮・サポートをすれば良いでしょうか?

繰り返しになりますが、性的欲求がない人というのはとても少なく、理解するのが難しいのも分かります。知ろうとしてくれるのはとても嬉しいけど、他の人にはいきなり聞かない質問は控えて頂きたいです。

 

あとは、私たちのことを特別扱いではなく、会話など皆さんの日常に入れて欲しいです。
ニューヨークのプライドパレード(LGBTQIA+の文化を讃えるパレード)に、Ally:アライ(様々なセクシュアリティやジェンダーを積極的に理解&支援する人たちは)あったのにAsexual:アセクシャルのイラストや旗がほとんど無かったんです。

 

最後に、「恋愛するならセックスするのが普通」と決め込むのもやめていただければと思います。

アリアンナから皆さんへのメッセージ

ウェビナーに来て下さった皆さま、質問して下さった皆さま、弦之介にアイカ、皆さん本当にありがとうございます。このウェビナーはとても素敵な活動だと思います。

アセクシャルや他のセクシュアリティの人がこのように話す機会をもらえるということは、より多くの人がもっとオープンになって、より多くの人が仲間外れにならないで、みんなが生きやすくなる一つのステップになると思います。

自分も、アセクシャルも仲間にいれてもらえているんだな、仲間外れにされていなんだなと感じることができてとても嬉しかったです。

本当にありがとうございました。

おわりに

今回のウェビナーで初めて“アセクシャル” という言葉を聞いた方も多くいらっしゃったかと思います。

 

アセクシャルという単語から入ると、「え?なんだ?」とこんがらがったり身構えてしまうかもしれませんが、今回のようにアセクシャルという単語をあえて省いて本人のお話を聞くと、「なるほどな。」と思ったり、アセクシャルではなくてもとても共感できることがあったのではと思います。

 

たとえばゼロとまではいかなくても性的欲求が少ないことにより、パートナーとの関係や知人との会話が弾まない…という場合など。(上司からの風俗の誘いに乗れずに気まずい。)または、婚活で毎回繰り広げられるテンプレートのような会話に少し疲れてきたな、など。

 

また海外ゲストに直接質問できるということで、視聴者さまからたくさんのコメントや質問をいただき、とても盛り上がった回でした!

 

本ウェビナーが、みなさまの “カテゴリーのない世界の可能性” を少し拡げれることができましたならば幸いです!

 

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

ありがとうございました!

視聴者さまご感想

みんな、ちがう。

だから、いい!